No.275の記事
2006年07月01日(土)   くもり (マンボウシール)


福岡県の書店では今日からマンボウシール付着販売を始めたらしい。マンボウシール?引き止のためのシールで「まんぼうシール」だ。なーるほど、なかなかユニークなネーミング。ネーミングのセンスはさておき、どういうことかというと、古本屋への売却換金目的での万引きが深刻なので、書店で販売する際に販売証明シールを本に貼り付けて売るということらしい。このシールが貼られていない本はつまり万引きしてきた本だから古本屋はそれらを買い取りするなと言うわけだ。古本屋へ売れないとなると万引きも減るだろうとの思惑らしい。なーるほど、なかなかユニークな発想、、、、か?

書店の苦悩は理解できる。おそらく組合で知恵を絞ったのだろう。しかしちょっとズレている気がしてならない。本にこだわる人は大切な本に余計なものを貼られたりするのを嫌うし、万引きとは関係のない多くの人にとっては、不用になった本を売ろうにもシールがあるないをいちいち気にしなくちゃならないなんて鬱陶しいし、もしも古本屋からシールが貼ってないだのなんだの言われたりしては気分が悪い。

実際のところ、古本屋からすればシールのあるないなんて知ったこっちゃないわけで、シールの貼ってない本を買っただろうなんて責められたんじゃこれまた気分が悪い。本を持ち込むお客さんには他県から引っ越してきた人もいるだろうし、ネットで購入した本もあるだろう。古本屋がシール付の本を買い取ったとしても、シールの貼られている本は言わば傷物だから、きれいに剥がしてから並べるのが良心的な古本屋だ。

そもそも万引きしてきた本を買い取りしているような古本屋は、それが万引きされたものと薄々いや、確実にわかっていながら買っている。持ち込む方も「あそこはすぐに買ってくれるぜ」てなもので常連となっているはずだ。そういう悪質な古本屋への対策を考えるべきで「マンボウシール大作戦」には問題がありすぎる。

この制度に福岡の書店のみなさんは納得しているのだろうか?シールは無料で配布されるわけでもないだろうし、いちいち貼り付けるなんて面倒でしょうがないだろうし、うちはそんことしなくても万引きは阻止できてるよというお店もあるだろう。

この制度はほどなく白紙撤回されそうな気がしないでもない。
、、と言うか、早く撤回した方がいいと思う。