No.1999の記事
2011年03月12日(土)   晴れ (その時のこと)


いつものように「早く収まってくれ〜」と切迫感もなく暢気に迎えた揺れだったのだがなかなか収まらない。「おや?これは?まさかね、もう終わるべ。終わるべ終わるべ?うわこりゃ本格的にやばいかも」
 
きのうの午後2時46分のことだ。揺れはじめて20秒くらい経ってからだろうか、まだ半信半疑ながらも椅子から立ち上がってゆっさゆっさと揺れはじめた近くの棚を抑えてみたのだが、揺れはさらに大きくなりはじめていた。これはまずい。とりあえず外へ出たほうがいいだろうと判断して、マンション上階からの落下物に注意しながら外へ出ると、ちょうど小学生の女の子軍団が自転車で集結したところだったのだが、彼女たちは自転車に乗っていたせいかまだ地震に気が付いていないようすで平然としている。
 
一人の子が自転車から降りたところで、「あれ?地震じゃない?」「え?そう?あ、ほんとだ地震だ」「ぜーんぜん平気、ふふふ」とご陽気な彼女たちだったのははじめの10秒だけだった。まもなくキャーキャー大騒ぎのパニック寸前となったのだが、「落ち着け落ち着け」とセーフセーフの仕草で彼女たちを制する冷静店長のおかげで彼女たちはやや冷静さを取り戻していた。やはり大人がいないとだめだな、大人はえらいぜと思っていると、店の中ではばらばらと棚の上に積み上げてあった本が落下し始めているではないか。ガーン・・・。落ち着け落ち着け。今度は自分自身の心を制する傷心店長である。
 
その光景を目の当たりにした彼女たちはますます恐怖感が募ったのかもしれない。ようやく揺れが収まるとワンワン泣き出す子もいる。泣きたいのはこっちだよ・・・大人はつらいよ。気の強い子が「なんで泣いてんの、泣くことじゃないじゃん」なんて強がっていたのだが、ことの重大さを察したのか、すぐにみんな帰っていった。
 
さて一人残された傷心店長。こりゃえらいことになったぜ、と思いながら次に取った行動は、デジカメでの写真撮影だった。こんな光景めったにないよパチリパチリ。わしゃなにをやっとるのだ・・・。もはや開き直りである。
 
そのあとは営業続行不可能と判断し、さっそく片付けに取り掛かった。店の前を通り過ぎていく人たちがチラッと覗いてはみんな引いているので、目隠しのブルーシートならぬレジャーシートを入口に張って一日中片づけに追われた、というか、どこから手をつけていいのやらわからずで、ほとんど作業は進まなかったのだが、とりあえず無事だった奥のアダルトコーナーへ行けるための通路を一本確保して翌日の営業に備えた。アダルト客だけに期待して、ブックコーナーは明日ゆっくり片付けようという段取りであった。
 
その段取りどおり、本日はアダルトDVDが売れたおかげでなんとか売上を出すことができた。きのうの今日でお客さんなんてこないんじゃないかと思っていたら、意外にもいつもよりちょっと多めに売れたりして、わからんもんだ。明日も片付けの続き。今日はさっさと帰って明日早めに出てきてやる。今日は営業しながらの片づけでもう疲れちゃった。明日もがんばろう。
 

入口をレジャーシートで覆うの図。(3/11)
あやしげ。かえって興味をそそるよね。