No.6857の記事
2024年06月27日(木)   特例措置


日本選手権の1500メートルで異例の救済措置があったとのニュースを見て思い出した。異例の救済措置とは、1500メートルの予選で選手同士の接触があり、有力選手を含む複数人が転倒するハプニングが発生したものの抗議を受けてそれら選手の決勝進出を認めたというもの。
 
本来ならそういうハプニング込みの勝負だと思うが、こんなことで有力選手を失格としたくないという忖度があったのかどうか、とにかく決勝進出を認めたようだ。このニュースで思い出したのが中学1年生の時の体育大会のこと。
 
子供のころからマラソンが得意だった私はその日1500メートル走の選手として参加していた。スタート直後の混雑状況の中、私は隣の走者に押されるかたちで思いがけずトラックの外側に足を一歩踏み出してしまった。ルールではそこで失格だと思うが私はかまわず走り続けた。ところが運悪くそのはみ出した瞬間を監視係の先生に見られていたのだ。
 
トラックを一周してその地点に戻ってくるとその監視係の先生は怖い顔をしてビシーッと私を指さしている。お前失格だぞのアピールだ。それでもかまわず私は走り続けた。400メートルのトラックを3周と3/4。一周回ってくるたびにその先生はビシーッと私を指さしている。それでもひるまず私は走り続けついに一着でゴールした。ぶっちぎりだ。みんなやんややんやで盛り上がっているのだが私は内心ドキドキしていた。大丈夫だべか?
 
その心配は的中し、監視係の先生は体育大会を仕切っている体育教師のところへ行って私が線をはみ出したことを告げていた。ああこんなに頑張ったのにおれは失格かとがっくりしていたのだが、体育教師は「まあまあ、今回はいいんじゃないんですか」のようなことを言ってくれたようで私はそのまま一等賞を取ることができた。その時の監視係の先生の不機嫌そうな顔はいまだに忘れられない。
 
その監視係の先生は数学の先生だったが、その後その先生の授業で顔を合わせるのはつらかった。もっとも先生のほうは別にそのことを根に持っちゃいなかったとは思うけど。
 
思いがけずしょっぱい青春の記憶がよみがえりました。