No.2570の記事
2012年10月03日(水)   曇りのち雨 (続・LED蛍光灯)


きのうの営業ウーマンが張り切ってやってきた。見積もりを見せてもらって話を聞くとそんなに悪い話ではない。ただし本当にその見積もりが正しければの話だ。
 
「なるほど、あとはこの部分ですね。LEDに替えると本当にこれだけ電気代が下がるのかどうか。実際にLEDを導入してみて、いざ電気代の請求がきてみたら1000円とか2000円とか、そんな程度しか下がっていなかったなんてことになったら目も当てられませんからねえ。最低でも5000円は下がらないと、やる意味がないですから。その辺の保証はあるのかないのか、あとはそこだけですね」
「そこがはっきりすればご契約いただけるということで?」
「ええいいですよ、やりましょう」
「それでは、えっとえっと、ちょっと上司に確認しまして、あの私、見ていただいてわかりますように新卒なもんでして、じつはこれがはじめてのご契約となりますもので、ひっちゃかめっちゃかなっちゃうかもしれないんですけど、一生懸命がんばりますんで、、、えー少々お待ちいただけますか、ちょっと電話してきます」
 
見ていただいてわかりますようにって、、、まあたしかに見た感じそうかなとは思ってたけど、もう初めての契約が取れそうだってんですっかり舞い上がってしまっているのがわかる。それでも、慣れた振りをして無理をするよりも、新人なもんですからと打ち明けてくれていたほうが、こちらとしてもちょっと応援したろうかいなという気持ちにもなろうというものだ。記念すべき社会人としての第一歩をうちから踏み出すことになるのか?
 
ほどなくして彼女は戻ってきた。その嬉々とした表情からは上司からいい返事をもらえたことがわかる。
「確認しましたらそこは大丈夫とのことですので」
「ああそうですか。じゃオッケーですね」
「え?ではこれでご契約いただけるということで?」
「いいですよ、やりましょう」
「ありがとうございます。では、こちこち、こちらに、らにらに、、あやー、なんかもう、この辺が段取り悪くて申し訳ないんですけど、よし、ここでテンパらないようがんばるぞ!ではでは、こちらこちら、ラララ、、、」
 
めっちゃテンパっとるやんけ・・・
 
彼女がわたわたしながら取り出したリース契約の申請書に必要事項を書き込んで、いよいよ契約締結は目前。工事の日取りはいつがよろしいですかと具体的な話まで済んだところで、一番大事な部分の最終確認をこちらが切り出した。
 
「それでさっきの電気代が5000円以上下がるという保証の件ですけど、これはそれに達しなかった場合は補填してくれるということでいいんですよね?その辺のことはあとあともめないようにしっかりと書面で示して欲しいんですけど」
「あ、それですね。それをどのようにするか、もう一度上司に確認とらせてもらっていいですか?」
 
電話をかけに外へ出て行った彼女は間もなく戻ってきたが渋い顔。わかりやすいお姉ちゃんやのお・・・。やはり値下がり幅が5000円に達しなかった場合にその分は補填するということはできない模様。やっぱね。さっきのそれは大丈夫という上司の返事は「そのくらいは下がるはずだから大丈夫」という意味で、具体的な意味での大丈夫ではなかったようだ。
 
契約書に記入までしておきながらここにきてこの展開。海面から背びれまで上がっていたのにプチンと糸が切れてしまった釣り人の心境だろう。あきらめきれない彼女は、補填に代わる手段はないものかとあれこれ粘るが、そこが保証されないことにはこちらとしても危なくて契約なんてできない。とはいえ、こちらとしてもそれに代わるほかの道があれば契約してもいいと思っている。そこでこちらからの提案として、リース代金をここまで下げるか、あるいはリース代金はそのままの契約で特別割引のようなかたちで月々これだけの値引きをするか、その二択の条件を示しておいた。
 
今日もまた持ち帰り。帰って上司と相談して返事をくれると言う。おそらくその条件では無理だろうと思うが、どうなるだろう。しかし考えてみれば、本当に月々の電気代が見積もりどおりに下がるのならなんの問題もないわけで、そこで躊躇しているところをみると、ちょっと怪しいのかなという気もしないでもない。とりあえず返事待ち。
 
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